なぜ登録するのか?

使いたい商標が決まった場合、または現在使用中のものがある場合には、今すぐ登録することをお勧めします。

我が国の法律では先願主義を採用しており、先に特許庁に出願した人が権利を取得できるという主義をとっています。権利を取得した権利者は、指定商品等について登録商標を独占的に使用する権利を有し、また権原なき第三者が、指定商品等またはこれに類似する商品等に、登録商標またはこれに類似するものを使用する場合などには、権利行使できます(差止請求や損害賠償請求など)。

しかし一方で、あなたが使用したいと思っているものと、同じようなものを使用したいと思っている他人が、先に特許庁へ出願して登録されれば、あなたはその商標を使えなくなってしまいます。また既に使用しているものであっても、それと同じようなものを他人が先に出願して登録されれば、あなたはもうその商標を使用できなくなってしまう場合があります。例外として、先使用権を有することもありますが、その条件として少なくとも一地方での周知性を有していることが必要となります。

使用したい商標が使えなかったり、使用していた商標を使えなくなったりするのを避けるためにも、登録しておくことが重要です。

登録の要件


登録の要件は、法律で定められています。特許庁では、出願された商標が登録できるかどうかについて審査します。審査結果は、出願から4~5ヵ月程度で通知されます。登録の条件を満たしていない場合は、拒絶理由が通知されますので、その通知に対して意見書や補正書で対応する必要があります。

商標とは、どういうものをいうのか?

使用する意思があるか?

識別力があるか?

4条1項各号の登録要件を充たすのか?

商標法4条1項11号の規定について説明します。

登録商標と同じ商標や似ている商標は、登録を受けることができません。ただし、商品又は役務が異なる場合には、登録を受けることができます。商品又は役務が同一か似ている場合で、商標が同一か似ている場合は、本号の規定により登録が認められません。条文には、当該商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標又はこれに類似する商標であつて、その商標登録に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの について、登録を受けることができないと定められています。

商標が似ているかどうかの判断は、双方の商標の「称呼(呼び方)」「観念(意味)」「外観(見た目)」から総合的に判断されます。原則的には、このうち一つでも似ていれば、類似する商標と判断される場合が多いです。よく出される例として、「外観」の類似では、「ライオン」と「テイオン」。「観念」の類似では、「林檎」「アップル」。「称呼」の類似では、「紅梅」と「ベニウメ」などが挙げられます。

拒絶理由の対応策

4条1項11号の規定に該当する場合は、拒絶理由が通知されます。拒絶理由があるからといって、すぐに拒絶されるわけではありません。意見を申し述べたり、補正をする機会が与えられます。

出願人は、定められた期間内に意見書や補正書によって拒絶理由を解消する必要があります。具体的には、意見書において商標が似ていないという反論をしたり、補正書において同一又は似ている商品又は役務を削除する補正を行います。

再審の段階で、補正が認められたり、意見が認められた場合は、登録査定がされます。補正や意見書によっても尚、拒絶理由が解消しない場合には、拒絶査定がされます。拒絶査定がされた場合であっても、不服審判で登録を目指すことも可能です。

不服審判では、3名又は5名の審判官の合議体により、再審理がされます。審査官の判断が正しいかどうかの審理です。審理の結果、審査官の査定が正しいと判断された場合には、拒絶査定が維持されます。審査官の査定が誤っていたと判断された場合には、登録査定がされます。